川口人
「細かい作業でも手を抜かない」お客さまに喜んでいただくことを大切にしているクリーニング店の3代目店主
今回の川口人は、川口市末広にある「いしぐろ クリーニング店」の店主、石黒 武浩(いしぐろ たけひろ)さんです!
「お客さまに喜んでいただくこと」を大切にされている石黒さん。
そのために、1つひとつの作業を丁寧に行われていたり、新しいサービスを積極的に取り入れられていたり、素材のトレンドを勉強されていたり…。
地域に根ざし、長く愛されてきたいしぐろ クリーニング店さんが大切にされている「お客さまへの想い」をお届けいたします。
Q1.どんなお仕事/活動をしていますか?
実家であるいしぐろ クリーニング店を継いだきっかけは「受付用PC」の誕生
川口市末広にある「いしぐろ クリーニング店」で店主をしています。
いしぐろ クリーニング店は祖父と父が始めたお店で、わたしは3代目になります。
昔はお店の2階が住まいだったので、幼い頃は仕事場も遊び場の1つのような感覚でしたね。
お店を継ぐ予定はなかったのですが、とあることがきっかけでクリーニング業界に入ることになりました。
それが、「受付用PC」の誕生です。
わたしが高校を卒業した頃、パーソナルコンピュータが世の中に出始めました。
日本の企業でも早いところはPCを導入し始めていて、クリーニング屋でも、それまでお金の計算が主な機能だったレジスターが顧客管理などもできる受付用のPCに変わっていったんですね。
そこで、当店でも新しいもの好きの父が早々に受付用のPCを導入したのですが、父は機械の操作が得意だったわけではなかったので、「使い方はおまえが覚えて、従業員さんに教えてくれ」と言われて…。
まずはアルバイトとしてお店で働き始めました。
そのうちに、その受付用PCを開発したのはクリーニング店だったことを知って興味が湧き、その会社に就職しました。
営業のような感じで社長にくっついて、色々なお店に受付用PCを売りに行きましたね。
早々に「PCをクリーニング店に導入しよう!」と決めた先見の明のある社長でしたから、一緒に仕事ができてかなり勉強になりました。
当店でも新しいサービスはどんどん取り入れるようにしていますが、それもその社長から学んだことの1つかもしれませんね。
Q2. 大切にしていること/こだわり
クリーニングをする上での理屈と順序を大切にしています
大切にしていることは、クリーニングをする上での「理屈」と「順序」を守ることです。
理屈というのは、「どうやったら汚れが落ちるのか」を理屈で考える、ということですね。
例えば、Yシャツをクリーニングするときには8枚ほどをベルトで束にしてから洗うんですが、なぜだかわかりますか?
…それは「たたき洗い」をより効果的に行うためなんです。
クリーニング屋にある洗濯機はドラム式です。
ドラム式はドラムを回転させ、衣類を持ち上げて落とす「たたき洗い」の作用で汚れを落とします。
遠心力で汚れを押し出すわけですから、落とすモノは重いほうがいいわけです。
1枚では軽いYシャツも、何枚かを束にすると結構な重さになるんですね。
それぞれが水を含めば、なおさら重くなります。
だから、Yシャツは1枚ではなく、束にして洗うんですね。
お客さま(ファン)の納得(料金に見合う)に近づけられる仕事をしたい
順序についてで言うと、当店には「洗う」とか「整える」以外にも色々と大切にしている順序があります。
例えば、ポケットの掃除ですね。
ホコリと一緒に衣服を洗わないよう、まずはクリーニングする衣服のポケットを1つひとつを裏返してブラシなどでホコリを取ります。
ポケットの中は秘密がいっぱいなので、ホコリ以外にも色々なものが入っていたりします。
きちんと裏返してチェックすることで、1円玉でも入っていればお返しすることができますしね。
他には、ボタンや長さ調節のための金具の保護。
ボタンはボタンカバーをつけて、金具には100円ショップで購入した子ども用の靴下をかぶせて傷がつかないように保護します。
お客さまが安心して利用できるお店であるためには、細かい作業でも手を抜かないことが大切だと思っています。
当店ではそういった作業1つひとつの順序を守ることもクリーニング屋の仕事であると考えています。
また、完璧な人間ではないので、40年もこの仕事をしていると失敗やミス等色々ありますが、得意なことはこれからも勉強、発想して、不得意な部分はビジネスパートナーさまにご協力いただき、お客さま(ファン)の納得(料金に見合う)に近づけられる仕事をしたいと考えてます。
Q3. 川口のココが好き!!
川口にしか住んだことないですが、便利な街だと思います
この質問は1番難しいな…川口出身でここにしか住んだことがないから、他の地域と比べようがないし…。
でもやっぱり便利な街だと思いますよ。
交通の便もいいし、電車でも車でも移動しやすいし。
あとは、買い物に便利ですよね。
大型ショッピングセンターもありますが、個人商店もまだまだたくさんあって、買い物が楽しい街だと思います。
Q4. オススメのお店・場所
小回りが利くという良さ、地域のお店をよく利用しています
オススメのお店は2つあります。
1つ目は、「有限会社インテリア元郷」さんです。
オーダーのカーテンや敷物、小物類までまるっとお任せできるお店です。
2つ目は、「株式会社飯塚兄弟電機商会」さんです。
まちの電機屋さんですね。昨年、クーラーが故障したときもこちらにお願いしました。
どちらも地域密着の会社さんなので、大型店にはない小回りが利く良さだったり、小さなこともお願いできる良さがあると思っています。
Q5. 今後の目標
当店自慢の人型立体成形機!服本来が持つ美しいシルエットにキッチリ成形してくれます。
還暦を過ぎましたが、できるだけ長くお店を続けていきたいです
わたしも還暦を過ぎたので、できるだけ長くお店を続けられるよう、心と身体、体力を維持することが今後の目標ですね。
クリーニング屋への依存度は減っていっていますが完全になくなる商売ではないと思うので、今利用していただいているお客さまを大切にし、これからもお客さまに喜んでいただけるサービスを続けていきたいと思っています。
季節ごとに行なっているキャンペーンについては、Instagramやトリコカワグチ掲載ページのニュースで発信していますので、ぜひチェックしてみてください。
また、クリーニングで発生する油やプラスチック、ビニールといった素材が世界的に敬遠されていくことは目に見えていますので、そういったことが起きることを想定した「次なる一手」を準備しないといけないなとは思っています。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。