今際の国のアリスにみる福祉のあり方【施設長の独り言シリーズ(障害者施設)】
社会福祉法人 ひふみ会
9月25日からNETFLIXで「今際の国のアリス」のシーズン3が配信開始になりました。
物語は、突然日常から切り離された若者たちが生き残るためのゲームに参加させられるという内容です。
スリルや緊張感に満ちたエンターテインメントですが、その裏には人はなぜ生きるのか、どうすれば人は共に生きれるのか、という根源的な問いが流れています。
ここには福祉の視点から考えさせられる要素が多く含まれているように思います。
作中のゲームでは、参加者に個人の能力や頭脳、体力が問われることもあれば、仲間と信頼し合わなければ決してクリアできない場面も多く描かれます。
つまり自分ひとりで生き残れると思った人は追い詰められ、逆に他者と協力する人は希望をつかむのです。
この構図は現実社会における福祉の本質に近いものがあります。福祉とは一部の弱い人を助ける仕組みではなく、私たち一人ひとりが生きやすくなるよう、社会全体で支え合う仕組みそのものだからです。
特に印象的なのは、役に立つ人だけが生き延びるという冷酷なルールが物語の根底にあることです。
これは効率や生産性だけを基準に人の価値を測ろうとする社会の危うさを映し出しています。
もし現実の社会でも働ける人、役に立つ人だけが優遇されるとすれば、病気や障がいを抱える人、高齢者や子どもなど、多くの人が切り捨てられてしまいます。
しかし、現代の福祉は存在そのものに価値があるという考えを軸にしています。
働けるかどうかではなく、その人が安心して生きられることを保障するための制度や支援を整えてきました。
作品の世界と現実の福祉の違いを比べることで、私たちが守らなければならない社会の基盤が浮かび上がります。
また、「今際の国のアリス」の登場人物たちは、極限状態の中で人を信じるか、裏切るかを常に選ばされています。
人間関係における信頼や絆がどれほど大切かを示している場面です。
現実社会でも同じように、地域の中で孤立してしまえば、どんなに制度が整っていても支援は届きにくくなります。
逆に、顔の見えるつながりや声を掛け合える関係があれば、制度に頼らなくても困ったときに自然と助け合える空気が生まれます。
福祉は制度だけで成り立つものではなく、人と人とのつながりに支えられているのです。
私たちが暮らす川口市でも、障がいのある方や高齢の方、子育て中の家庭など、さまざまな人が地域に暮らしています。
それぞれに事情があり、時には生きるのが大変だと感じる瞬間もあるはずです。
そんなときに自己責任と突き放すのではなく、一緒にやっていこうと声を掛けられる社会でありたいと思います。
「今際の国のアリス」のような非情な世界ではなく、誰もが安心して生活できる地域社会を築くことこそ、私たちが目指すべき福祉の姿です。
極限のゲームを描いたフィクションだからこそ共に生きる事の価値が浮かび上がります。。
もし日常が突然失われたら、私たちは誰に手を伸ばし、誰に助けられるのでしょうか。
作品を通じて感じる問いを、地域での暮らしに重ね合わせてみると、福祉は決して特別な人のための仕組みではなく、私たち自身を守るためのものだと気づきます。
「今際の国のアリス」は、命を奪い合う過酷な舞台を描きながらも、人は一人では生きられないというシンプルな真実を突きつけてきます。
だからこそ現実の社会では、互いを支え合える仕組みと関係を大切にしていきたいものです。
私たちの地域が誰もが安心して暮らせる国であり続けるために、日々の小さな支え合いを重ねていくことが求められているのだと思います。
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