コジコジにみる福祉のあり方【施設長の独り言シリーズ(障害者施設)】
社会福祉法人 ひふみ会
さくらももこさん原作の「コジコジ」という作品をご存じでしょうか。
かわいらしいキャラクターが登場する一見ファンタジーのような世界ですが、そこには私たちが生きる社会を映し出すような深いメッセージが込められています。
物語の主人公コジコジは、誰から見ても不思議な存在です。
学校に通っていても特に勉強を頑張るわけでもなく、将来の夢を聞かれても「コジコジはコジコジだよ」と答えます。
何かを成し遂げようとするわけでもなく、ただ気ままに過ごしているのに、なぜか周りのみんなに愛されています。
その理由はきっと、コジコジが誰に対しても分け隔てなく、ありのままを受け入れているからではないでしょうか。
福祉の基本には、「誰もがその人らしく生きられる社会をつくる」という考え方があります。
障がいの有無や年齢、性別、国籍などに関係なく、一人ひとりが尊重され、安心して暮らせる社会。
それが福祉の目指す姿です。
コジコジの世界では、魚の子どもや宇宙人、カエルや雪男まで、まるで当然のように同じ学校で過ごしています。
誰も「普通」と「特別」を区別しない。
そこには、みんな違ってみんないいという考えが自然に根づいています。
現実の社会では、人の価値をどれだけ働けるか、どれだけ役に立つか、で判断してしまう場面があります。
けれどコジコジは、何もしなくても存在そのものが愛されています。
「別にいいじゃん」「そんな日もあるよ」という言葉をさらりと投げかけ、相手を否定しません。
それはまるで、「がんばらなくても、あなたはここにいていいんだよ」と言っているようです。
福祉の現場でも、こうした存在の肯定が何より大切だと感じます。
また、コジコジは他人に対して必要以上に干渉しません。
一見すると無関心のようにも見えますが、それは相手の生き方を尊重しているからこそではないでしょうか。
困っている人を助けてあげるのではなく、その人が自分の力で生きていけるように見守る。
これはまさに、現代の福祉で重視されている「意思決定支援」や「自立支援」にも通じる姿勢です。
相手を変えようとせず、相手のペースに合わせて寄り添う。
そんな関わり方こそ、本当の優しさではないでしょうか。
コジコジの世界には、誰かを比べたり、正しさを押しつけたりする場面がほとんどありません。
どんな存在も、そのままで受け入れられます。
これは現実の社会において、私たちが目指すべき「共生」の姿そのものです。
違うことを受け入れる寛容さ、何もしないことにも意味を見出す優しさ、そんな価値観が、コジコジの世界には当たり前のように息づいています。
コジコジが伝えているのは、決して難しい理想論ではありません。
「人はそのままでいい」「がんばらなくてもいい」「あなたはあなたでいい」という、ごくシンプルな真実です。
私たちがそれを少しずつ日常の中で実践していけば、きっと地域の中にも、コジコジの世界のような温かい空気が広がっていくのではないでしょうか。
福祉とは、特別な人のための仕組みではなく、誰もが安心して生きられる社会のための考え方です。
だからこそ、私たち一人ひとりが、身近なところでありのままを受け入れる姿勢を持つことが大切だと思います。
コジコジの世界のように、誰もが自然体でいられる社会、それを実現するため、ひふみ会が地域の力になれればと思っています。
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