「囲い込み」は不動産売却において売り手に大きな機会損失となる。そのため、囲い込みを行わない不動産仲介会社を選びたいところ。 「囲い込み」をしない仲介会社はどこなのか? 大手不動産仲介会社の最新の両手比率を試算したところ、「両手取引」の蔓延が判明した。両手取引は顧客に不利益な囲い込みにつながりやすいので注意が必要です。ここでは、違法な囲い込みの実態や囲い込みを行わない不動産会社の見つけ方などを解説しましょう。 不動産仲介会社の「両手取引比率」一覧(最新版)
企業名 手数料率 両手取引比率
三井不動産リアルティグループ(三井のリハウス) 4.75% 43.82%
東急リバブル 4.54% 37.50%
住友不動産販売 5.20% 57.47%
野村不動産グループ 4.27% 29.34%
センチュリー21・ジャパン 4.73% 43.32%
まず、上表の「手数料率」を見てみましょう。
不動産売買における仲介手数料は、売買価格が400万円以上の場合、宅地建物取引業法で下記のように定められています。
仲介手数料の上限=成約価格の3%+6万円+消費税
だが、不動産仲介会社の不動産売買「手数料率」を見ると、3%を大きく超えている。これは、不動産売買の手数料を、売り手からだけではなく、物件を購入した買い手側からも得ているからです。
1つの不動産仲介会社が、売り手と買い手の双方から手数料を得ることを「両手取引(両手仲介)」というが、手数料率が高い会社ほど、両手取引比率が高くなるということ。
両手取引自体は法律に触れるわけではなく、一概に悪いこととは言えない。
不動産仲介会社には、「自分が所有するマンションや戸建て住宅を売りたい」という物件売却の情報だけでなく、「こんな中古住宅を買いたい」という購入希望者の情報も集まる。
売り手と買い手の両方の情報を持っていて、それぞれの希望条件がうまくマッチングした結果、取引が成立し、それをたまたま一つの不動産会社が仲介していたというなら問題はありません。
ただし、不動産仲介会社からすると、両手取引は手数料が2倍になる美味しい取引。どうしても両手取引にしたいために不動産仲介会社が行う不正行為が「囲い込み」です。
囲い込みとは、他の不動産仲介会社から「買い手候補がいるので、物件を見せてもらえますか」などと問い合わせがあっても無視したり、ウソをついて断る行為のこと。
もちろん、売り手にはそのことは知らせない。
このような囲い込みは当然、違法行為である。不動産仲介会社が自ら買い手を見つけられるまで、囲い込み行為は続くことになる。
囲い込みされると、売り手は早期に売れる機会を逃してしまうし、さらに値下げを余儀なくされることも多く、大きな損失につながる可能性がある。
大手では住友不動産販売が
57.47%と高い!
上表の「両手取引比率」を見てみると、大手・中堅不動産仲介会社31社のうち、40%超えが14社もあることが分かった。
大手3大不動産仲介会社では、住友不動産販売が57.47%、三井のリハウスが43.82%、東急リバブルが37.50%だった。
このように日本では、不動産売買において「両手取引」が当たり前のように行われているのが実態です。
囲い込みは売主にとって大きなデメリットに
「囲い込み」は売り手にとって、2つの大きなデメリットがある。
デメリット1 売却が長期化する可能性がある
不動産仲介会社が囲い込みをした場合、自社で買い手を見つける必要がある。そのため、他の不動産会社から問い合わせがあっても断ったり、無視したりする。 当然、売り手には問い合わせがあったことは知らされない。せっかくの売れる機会を逃し、売却までの時間が長くなる可能性がある。
デメリット2
売却価格が安くなる可能性がある 売却が長期化すると、不動産仲介会社の営業担当者は「なかなか売れないので、価格を下げましょう」と提案することが多い。 値下げすれば、不動産仲介会社の手数料も下がるが、両手取引であれば2倍の手数料がもらえるので、多少安くなっても痛くも痒くもない。3カ月程度売れないと、積極的に値下げを提案することが多い。 早期に売れる機会を逃し、さらに、値下げしなくても売れたかもしれない。その金額は数百万円という損失になることもあるが、多くの売り手は自分が損をしていることを認識すらできないのが実態だ。 そう考えると、やはり「両手比率」が高い不動産仲介会社と契約する際は、囲い込みされていないか、注意したほうがいいでしょう。
囲い込みを行わない不動産仲介会社を見つける方法
囲い込みの手口が巧妙になっていることや、売り手にとって大きな機会損失となることがわかりましたね。
では、囲い込みを行わない不動産仲介会社を選ぶにはどうすればいいのだろうか。
不動産仲介会社あるいは、営業担当者の姿勢を見極めるために、売り手側も積極的に質問することをお勧めします。 例えば、『両手取引にこだわらずに売ってもらえますか?』とか『あなたの会社は片手取引でもよしとしていますか?』などと正面から質問をぶつけてみてください。
もちろん、その質問に対する答えが本心かどうかはわからない。しかし、少なくとも、自分は何も知らない売り手ではないということをわからせることはできますし、緊張感を持った販売活動をしてもらえるのではないかと思います。
まとめ
以上、不動産仲介会社による「両手取引」「囲い込み」について解説してきました。 ・囲い込みが行われることで、売り手は売却までの期間が長くなり、値下げを余儀なくされる可能性があります。 ・最新のデータでは、大手・中堅不動産仲介会社31社のうち、14社の両手比率が40%を超えています。 ・両手比率が高い会社は囲い込みを行っている可能性が高いです。 ・囲い込みが横行している理由は「両手取引が法律で禁じられていない」「囲い込みをしてもバレにくい」から ・囲い込みを行わない会社、営業担当者を見極めるために、「両手取引にこだわらずに売ってもらえますか?」など、売り手側も積極的に質問すること 日本では両手取引が当たり前ということをよく頭に入れながら、不動産仲介会社選びを進めてください。
弊社、株式会社ロングライフでは常にお客様の立場に立って「考動」します。上記のような囲い込みが行われている実態は、実は弊社の代表はかつて上記に名を連ねている大手仲介会社に勤務していましたので、現在ほど酷くはありませんでしたが少なからず業務上で他の大手不動産仲介会社が、行っていたという経験があります。 そういう経験を経て、上記のようなお客様ファーストの考え方に基づいて業務を行いたいという思いで起業いたしました。 不動産に関するお悩みについて、お気軽にご連絡・ご相談いただければ幸いです。